地球益経済論

キーワード : キーワード:地球益,持続可能な発展,エネルギー・環境・気候変動政策,環境税制改革,東アジア,環境ガバナンス,環境援助,循環型社会,開発経済学と環境経済学の統合

スタッフ名、職名

劉 徳強 教授
森 晶寿 准教授

分野ホームページ

概要

 地球益を地球上のすべての人々で共有できる社会経済システムの構造や機能,そこにおける公共政策のあり方を解明する.地球環境問題が示したことは,貧困や不況に対する処方箋を考えるに際しても,地球環境や地球資源の制約や現状に関する事実や認識をふまえた経済学的検討が不可欠になったことである.このことは,人間社会の豊かさを実現するための開発ルールと開発主体のあり方とは何かを問いかけている.国家の利害や企業の利害を超えて地球市民の共通の利益を実現できる経済への途は、まだ模索が始まったばかりである。南北間の衡平や世代間の衡平を図りつつ、地球環境を保全できる世界経済システムはどのようなものか.持続可能な社会とはどのようなもので,どうすれば実現できるのか。その時,人間社会がどのような豊かさや生活の質を享受しているのか.こうした難題に経済学を始めとする諸学問の成果を基に立ち向かってみたい.
 より実践的な課題としては,エネルギーや環境・気候変動などの制約の観点から経済成長・発展のあり方を再検討したい.特にアジアでは,経済成長が国民国家形成・統合の手段として用いられてきたこと,輸出指向型戦略による経済成長が成功したことから,環境や気候変動への懸念を政策や経済成長戦略に真剣には組み込んでこなかった.エネルギー制約や温室効果ガス排出削減という制約が課されると,低炭素グリーン成長戦略への転換が主張されるようになった.しかしその内実は,外国からの安価なエネルギーの調達と原子力発電の推進での対応にとどまっている.こうした状況をいかに持続可能な発展に向けて構造転換させていくことができるのか.先進国・新興国・途上国はそれぞれ何をすべきか,経済・政策の両面から取り組んでいきたい.

主要研究テーマ

  • 持続可能な発展の政治経済学
  • アジア・中国の経済発展と環境政策・ガバナンス
  • グローバリゼーション・気候変動問題と国際環境政策
  • 政府開発援助と環境政策・技術の普及
  • 東アジア地域環境・経済政策
  • エネルギー・環境・気候変動政策統合
  • 環境財政改革,炭素・エネルギー税制改革
  • 地球環境保全の資金メカニズム(CDM, PES, REDD)
  • 廃棄物とリサイクルの経済学

当分野の博士論文

・渇水地域における水利用・管理の持続可能性に関する研究,2012年3月.
・ドイツ容器包装廃棄物政策史研究1970-1991,2012年3月.
・都市における水道事業の有効性評価,2010年9月.
・環境ストック概念にもとづく持続可能な都市づくり,2009年3月.
・環境援助と住民参加ータイの地方都市における住民参加型環境援助事業を事例として,2008年3月
・中国の循環経済に関する研究ーモデル事業に見る理論と実際ー,2008年3月
・環境マネジメントシステムと環境政策ー欧州排出権取引制度と自治体環境管理を中心に,2007年1月
・エネルギー社会資本の構造転換と再生可能エネルギー政策,2006年3月.
・政策統合と市民参加によるサスティナブル・シティづくり,2005年11月.

当分野の修士論文

  • 2011年度

– 自治体の温室効果ガス削減費用の推計と含意
– 証券市場における環境投資に関する考察
– Feed-in Tariff in Germany and Spain: Implications for Japan
– 沖縄・久高島におけるコモンズ的管理に関する一考察

  • 2010年度

– エコイノベーション研究の到達点と課題
– バイオ燃料の持続可能性基準ーEUと米国の比較分析
– カンボジアにおける改良型調理かまど普及プロジェクトの評価
– 中国の小規模養豚農家向けバイオガス発酵槽普及においてCDMが果たす役割と課題
– グローバルアパレル企業の環境問題への取組―スウェーデン企業と日本企業の比較―

  • 2009年度

– An Inquiry into Waste Management for a Sustainable Society
– Institutional Change and the Institutional Economics of Environmental Change: Case Studies on the Pesticide Drift Pollution of Banana Plantation Communities in the Philippines
– Alternative Electricity Supply Options for Malaysia
– 環境保全への政策統合に向けた自治体の行政改革~環境先進自治体における手法の比較~
– トップランナー方式の政策評価
– 「コウノトリ育む農法」の拡大の可能性―理論と現象の乖離の要因分析を通じて―
– 地域還元型負担金の導入による家庭系可燃ごみの削減に関する研究 ~滋賀県甲賀市の事例~

  • 2008年度

– 外部環境会計における推定的効果の標準化
– 重要伝統的建造物群保存地区制度の評価 -橿原市今井町を事例として-
– 再生可能エネルギー割当基準制度のリスク低減策に関する一考察
– Comparative analysis of environmental provisions in Preferential Trade Agreements of the United States and the European Union

分野として関与する国際的活動

– East Asian Association of Environmental and Resource Economics
– Seoul National University-Peking University-Kyoto University Environmental Workshop

インターンシップ先(最近のものを抜粋)

  • United Nations Industrial Development Program, Tokyo Office
  • Environmental Management and policy Institute, Tsinghua University, China
  • Navdanya, India
  • 国際協力事業機構(JICA)
  • Groupe Energies Renouvelables, Environnement et Solidarités, Cambodia
  • 地球環境戦略機構(IGES)
  • 京都市役所
  • KES環境機構
  • 持続可能な経済・社会センター(JACSES)
  • 島根県中山間地域研究センター

就職先

博士卒業生
*大学 (5)
*研究所 (2)
*政府機関 (1)

修士卒業生
*コンサルタント (10)
*製造業 (8)
*博士課程 (6)
*県庁・市役所 (5)
*金融機関 (3)
*国際機関 (3)
*中央省庁 (2)
*研究所 (1)
など

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地球は誰のものか?