社会文化共生論

スタッフ名、職名

佐野 亘 教授
岩谷 彩子 准教授

本分野は、環境問題に対して、政治学・文化人類学の観点から、その実態や原因の把握を目指すとともに、そうした知見を踏まえたうえで、環境問題を解決するための公共政策のあり方についても考究するものである。

人類は変化し続ける環境に対して柔軟に適応してきた。しかし、近代以降人類が経験している生産力と消費の急激な増大は、環境に多大な負荷をかけるとともに、人類が適応する能力を超えた災害をも招いている。たとえば、自然資源及び人的資源を活用しながら移動生活を行ってきた狩猟採集民や商業移動民は、環境保護やグローバル資本主義の浸透とともにどのような生活の変化を迫られ、彼らが身を置いてきた社会にはどのようなリスクが生まれているのか。本分野では、文化人類学の観点から、複合的な環境問題を考えるうえで重要な、共同体の生活様式に根ざした環境変動への適応のあり方とその現代的な変化について考察する。

他方で、先進諸国に目を転じると、環境問題の背後には経済的要因とともに政治的要因が強固に存在する。各国の環境政策は、環境に対する国民の意識の差のみならず、環境政党の有無や環境保護運動の活発さの度合い、また農業関連の圧力団体の政治的影響力の強さ、環境担当省庁の位置づけなど、数多くの政治的要因によって規定されているのである。本分野では、政治学の観点からこうした政治的背景について研究するとともに、政策研究の観点から環境政策のあり方についても検討したいと考えている。

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遊芸民カールベリヤの野営地
(インド・ラージャスターン州、2011年9月)