2013年12月12日より14日にかけて、地球環境学堂は「国際環境防災マネジメント:教育・研究・実践の連携」のワークショップを京都大学で開催しました。ワークショップには、環境防災アジア大学ネットワーク(AUEDM)のメンバーを含む国内外の大学と研究機関、防災事業に携わる国際機関、アジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN)を代表するNPO/NGOからの研究者および実務者の約40名が集結し、以下の項目にかかる活発な議論を行いました。
・これまでの「災害復興」「気候変動適応」「都市防災」「環境・防災教育」の4分野に関する研究や活動成果の共有および評価
・上記の各分野の教育と研究を実践につなげるために必要な取り組み
・2015年に仙台で開催される第3回国連防災世界会議に向けた今後の研究活動の検討
災害復興に関しては、復興のコストベネフィット分析、復興過程の中での二次災害の防止、見過ごされがちな小規模で頻発的な日常的災害への対応などの課題につき議論が行われました。
気候変動適応に関しては、官民連携の可能性、適応策プログラムの評価基準の設定、都市部と地方との連携、地域特有の知識の活用を含む課題が挙げられました。
都市防災に関しては、都市部におけるリスク・ガバナンス、都市防災のための資金調達、自主防災組織のさらなる強化、民間セクターの事業継続計画などにつき話し合われました。
環境・防災教育に関しては、教育セクターにおける兵庫行動枠組(HFA)の適用、高等教育における防災専門家育成プログラム、ソーシャルメディアを活用した環境・防災教育などについての議論が展開されました。
本ワークショップは、設立より10年を迎えた国際環境防災マネジメント論分野研究室の研究実績を振り返る機会ともなり、参加者からは今後の研究課題および取り組みの方向性についても様々な提案や助言をいただきました。