京都大学は、国立大学法人構想の柱の1つとして掲げた「柔軟かつダイナミックな体制による知の創造」を実現する取り組みとして、海外の大学や研究機関と共同で現地運営型研究室(On-site Laboratory)を設置し、活動を展開しています。地球環境学堂はそのパイオニアとして、2018年からマヒドン大学(Mahidol University, Thailand)と共に本プログラム(On-site Laboratory)に参入し、その第1回ワークショップを2019年3月8日にタイ・マヒドン大学で、第2回ワークショップを2019年11年25日に京都大学で開催しました。このたび、その第3回ワークショップを2020年3月11日に遠隔会議システムを用いて開催し、これまで研究・教育の分野で展開された活動と蓄積された経験の情報交換を行いました。なお、本ワークショップはもともとマヒドン大学のPhayathai、Salaya、Kanchanaburuiの3キャンパスで、3月11~12日に実施する予定であったものを、COVID-19による日本からの渡航自粛を受け、遠隔でマヒドン大学の3キャンパスと京都大学の吉田・桂の2キャンパスを遠隔開催に変更したものです。京都大学側から21名、マヒドン大学から37名の教員および学生が参加しました。
シンポジウム午前中は、公衆衛生グループ、環境工学グループ、化学工学グループ、農学グループの4つの分科会に分け、2つの遠隔システムで並行して実施されました。環境工学グループは工学研究科の清水芳久教授と工学部土木環境工学科のTrakarn Prapaspongsa助教授が、公衆衛生グループでは医学研究科社会健康医学系専攻の原田浩二准教授と公衆衛生学部のChakrit Hirunpetcharat講師が、化学工学グループでは工学研究科化学工学専攻長の佐野紀彰教授と工学部化学工学科のSira Srinivas講師が、農学グループでは農学研究科の神崎護教授と環境資源学部のNarin Boontanon講師がそれぞれ座長を担当し、各分野における研究やその進展について報告し、両大学の将来の共同研究の可能性について議論しました。
午後は全グループが参加するPlenary Sessionが行われました。工学部長顧問 Chamras Promptmas助教授と地球環境学堂副学堂長 勝見武教授からの挨拶の後、国際戦略本部の安達まり子講師から京都大学のOn-site Laboratoryプログラムの趣旨が説明され、つづいて地球環境学堂の藤井滋穂教授から、地球環境学堂とマヒドン大学工学部との研究・教育協力(ダブルディグリープログラム、特別聴講生プログラム等)の経緯および実績が報告されました。その後、各グループから、それぞれの分科会での内容とそれを踏まえた今後の協力活動の方針が報告されるとともに、活発な意見交換がなされ、閉会しました。
吉田キャンパスの集合写真
(京都大学桂キャンパス、マヒドン大学Salayaキャンパス/Phayathaiキャンパス/Kanchanaburiキャンパスの参加者と一緒に)
Plenary Sessionの様子(マヒドン大学側)
Plenary Sessionの様子(京都大学側)