京都大学は、「科学体系と創造性がクロスする知的卓越人材育成プログラム(略称ELCAS(Experienced-based Learning Courses for Advanced Science)) )の提案で、平成26年度から29年度の間、高校生を対象にした教育プログラムJSTグローバルサイエンススクール事業を実施しています。この中では、基盤コース、専修コースなどのように京都大学内での高校生に、講義・実験実習を体験されるもの他に、高校生を海外につれてゆき、現場経験をさせるコース(国際コース)があり、地球環境学堂がその担当となっています。
国際コースの事業として、平成28年年度のベトナム短期研修(2015年8月7日~14日)の第1回に続く、第2回目が2016年8月10日~17日の間に同じくベトナムの南部(ホーチミン市)よび中部(フエ市およびその周辺)で実施されました。参加者は、平成26年度および平成27年度のELCAS基盤コースを修了し、本研修に興味をもつた現役高校生(2-3年生)で、書類選考、面接で合格した12名(男子3名、女子9名)です。引率は、地球環境学堂の藤井滋穂教授とELCASの渡部祐司コーディネイターが担当しました。また、日程は、京都大学の国際交友科目「暮らし・環境・平和-ベトナムに学ぶ-」と共通する部分を加え、その同行者である田中周平准教授、岡本侑樹特定助教および京都大学1-2回生12名とも交流できるようにしました。
高校生らは、まずホーチミン市に入り、統一会堂・戦争証跡博物館を訪れ、ベトナム戦争の歴史や今もなお残る傷跡について研修を受けました。2日の夜にフエに移動し、3日目以降はフエ市およびその周辺をバス等で移動し見学しました。訪問先はフエで周辺では非武装地帯の、国境となっていたダクロン橋、ヴィンモクの地下道等の歴史的施設、Hong Ha村小数民族のCommunity House、さらに養殖業の盛んなTam Giang 干潟他です。その間、見学先の河川水やホテルの水道水などについて、携帯水質測定メー(pH、電気伝導度)、パックテスト法(硬度、残留塩素)、細菌試験紙(大腸菌群、一般細菌数)で測定し、ベトナムの水環境を調べる調査を体験しました。
また、フエ滞在中は、大学生と一緒に、フエ農林大学を訪問するとともに、ホーチミン初代主席等の卒業したことで有名なQuac Hoc高校に訪問して同校の高校生とも交流し、異文化理解を進めることができました。最終日には、水質検査・食文化等などベトナム滞在中の経験をQuac Hoc高校にて多数の高校生のまで、英語で報告するとともに、日本語・英語・ベトナム語を交えた活発な質疑がなされました。受講生からは「日本にも取り入れるべきベトナムの文化・制度がある」などの感想が寄せられました。探求成果発表会のあとには、受講生に対しフエ農林大学から修了証が授与されました。その後、フエ農林大学の短期研修コース修了証書を授与の後、ハノイを経由して帰国の途につきました。
Quac Hoc高校での集合写真。国際交流科目の京大学生と一緒に(August 12)
Tam Giang干潟をボートに乗って研修(August 14)
探求成果発表会後、フエ農林大学の研修修了証書授与(August 16)