本学との共同主催校であるベトナム社会主義共和国・ハノイ理工科大学において、「京都大学・ハノイ理工科大学 − アジア諸国に展開する地球環境学の教育・研究連携に関する国際シンポジウム」を開催しました。本シンポジウムは、第10回AUN/SEED-Net環境工学国際学術会議との合同開催でもあり、概算要求機能強化経費「海外サテライト形成によるASEAN横断型環境・社会イノベータ―創出事業」とJSPS拠点交流(B)「アジアプラットフォームによる地球環境学の実践的展開と学術研究基盤の創生」の支援、および在ベトナム日本大使館、JSPS、JICA、JASSO、京都大学ベトナム人留学生会の後援のもと実施されました。参加者は本学とハノイ理工科大学の他、アジア・欧米16ヶ国70組織(50大学、20企業その他)からの研究者や学生、日本、ベトナムの環境関連企業など、合計285名(大学247名、企業その他38名) が参集しました。
開催日程は10月30日-11月1日の3日間で、30日午前はハノイ理工科大学Tran Van Top副学長、ANU/SEED-Netプロジェクトコーディネーター岩舘裕氏、京都大学北野正雄理事による開催の辞から始まり、ハノイ理工科大学Huynh Trung Hai教授、京都大学田中宏明教授の基調講演がおこなわれました。午後には第12回「インドシナ地域の教育研究連携に関する大学間ワークショップ」として、JSPS拠点交流による国際共同研究活動報告、地球環境学堂が取り組んできたこれまでのベトナム研究報告、国際化教育に関する各大学の取り組み紹介、同窓生による東南アジアネットワークフォーラム等のサブセッションにおいて、活発な議論が交わされました。
31日午前は前日に引き続き、日本企業の活動紹介と産学連携に関する議論、森里海連環学を基盤とするエコツーリズム研究の展望、若手研究者による環境研究発表等のサブセッション、また若手研究者と学生によるポスター発表がおこなわれました。午後は国際共同研究に関する全体セッションとして、まずハノイ理工科大学Tran Van Top副学長と京都大学山極壽一総長から開会の辞が、在ベトナム日本大使館柳淳次席公使から祝辞が述べられ、続いて地球環境学堂(舟川晋也 学堂学舎長)との学生交流協定継続(ハノイ理工科大学、ダナン大学、王立農業大学、ボゴール農業大学)の調印式が執りおこなわれました。その後、京都大学山極壽一総長、ハノイ理工科大学Nghiem Trung Dung准教授、マラヤ大学Nik Meriam Nik Sulaiman教授による特別講演と、国際共同研究に関するパネルディスカッション(コーディネーター:京都大学縄田栄治教授)がおこなわれました。
1日にはハノイ近郊のチャンアン世界遺産景観や、ナムソン廃棄物処分場へのスタディツアーが実施され、3日間に渡るシンポジウムの全日程が終了しました。なお、本シンポジウムの期間中、山極壽一総長、北野正雄理事らは、在ベトナム日本大使館大使、およびハノイ理工科大学学長を表敬訪問されました。また、サテライトイベントとして、京都大学同窓会による懇親会(29日,参加者140名)、ベトナム大学生・高校生を対象とした京都大学留学フェア(30日,参加者60名)も開催され、多岐にわたり大変充実した内容となりました。2018年度には主要連携大学の一つであるインドネシアのボゴール農業大学にて共同開催を予定しており、さらなる国際教育研究連携の発展が期待されます。