琵琶湖の水環境に関する研修を留学生に対し行いました(2019年6月6日)

琵琶湖環境科学研究センター(滋賀県大津市)および琵琶湖博物館(滋賀県草津市)で研修を実施しました。西前出教授、劉文助教、時任美乃理研究員およびTAの2名の引率のもと、この4月に来日し地球環境学舎で学ぶ特別聴講生8名、修士課程の留学生3名、ボゴール農業大学(インドネシア)からのダブルディグリー生1名、研究生2名と工学部地球工学科環境コースでインターンシップ中(6/3-7/31)のマヒドン大学(タイ)化学工学科3年生5名、の計24名が参加しました。

6月6日の早朝に時計台に集合し、バスで滋賀県へと向かいました。初めて琵琶湖を見ることとなった学生も多く、バスから見る壮大な日本最大の湖とその沿岸地域の街並みに大いに関心を寄せていました。

最初に訪れた琵琶湖環境科学研究センターは、琵琶湖の大気質や水質をモニタリングするミッションに加えて、生態系の解明・改善に向けて様々な研究が行われている滋賀県の研究施設です。まず、当センター総合解析部門の早川副部門長から琵琶湖の水質変化の歴史とその社会背景から、近年の課題と具体的な取組や対策を紹介していただきました。その後、同部門の佐藤主任研究員から近年、琵琶湖の漁業環境改善に大きな期待が寄せられているシミュレーションモデルについて紹介いただき、琵琶湖の複雑な生態系の仕組みについてお話をいただきました。難しい専門的な話も含まれましたが、学生たちは真剣に耳を傾け、質疑の時間には、多くの質問があり、闊達な議論が行われました。講義終了後、当センターのモニタリング部門および総合分析部門の研究施設を見学しました。

その後、道の駅・琵琶湖大橋米プラザで琵琶湖の風景を眺めながら昼食を取り、琵琶湖博物館へと向かいました。琵琶湖博物館は、湖をテーマにした博物館としては日本で最大の規模を誇り、淡水専門の水族館を含め、多彩な展示があります。まず、大塚総括学芸員から「琵琶湖の富栄養化とその対策」の講義がありました。午前の講義で学んだ琵琶湖の水質知識が生かされ、大塚学芸員の講義内容を深く理解することができました。講義の後、琵琶湖でプランクトン(アオコや赤潮の原因ともなりうる)を実際にサンプリングし、グループワークとして顕微鏡観察会を行いました。様々な形をしているプランクトンを目にして、学生たちは大いに関心を持って興味深く取り組み、講義で得た琵琶湖の水環境の内容を実体験としても得られる貴重な研修となりました。

その後、学生たちは博物館にて地質・文化・生物等の異なるテーマの展示等を、閉館するまで見学しました。多くの知見を得ることのできた盛りだくさんの研修となり、非常に有意義な一日となりました。最後は、道の駅・草津グリーンプラザで現地の農家産の新鮮な野菜を手に入れ、帰学しました。

琵琶湖科学研究センターでの講義の様子

琵琶湖科学研究センターの施設の見学

琵琶湖でのプランクトンのサンプリング

琵琶湖博物館内の琵琶湖岸での集合写真