2019 年 9 月 9-12 日に開催された 26th International Symposium on Polycyclic Aromatic Compounds (ISPAC 2019)において、地球環境学舎博士課程 3 年の雪岡聖君がBest Student Poster Presentation Awardを受賞しました。本会は、多環芳香族化合物類(Polycyclic Aromatic Compounds, PACs)の環境問題を解決するために、発生源の探索、環境中の挙動、曝露・健康影響など様々な研究を進める専門家が集まり、発表や議論を行う国際会議です。
雪岡君の発表は、近年、世界中の水環境中からの検出事例が報告され、その生態系へ悪影響が問題視されているマイクロプラスチック(MPs)に着目したものです。その中でも、MPsの粒径に着目して、1)MPs標準物質を用いた吸着試験、2)琵琶湖・大阪湾においてフィールド調査を実施しました。その結果、MPsの粒径が小さくなるにつれて、単位重量あたりの多環芳香族炭化水素類(PAHs)とそのハロゲン化体(Cl-PAHs, Br-PAHs)の吸着量が多くなる傾向が示され、粒径数十 µmのMPsでは浮遊物質より吸着量が多くなる可能性が示唆されました。また、環境中の作用によりMPsが劣化し表面積が大きくなると、 PAHsの吸着量がさらに増加することが予想されました。
授賞ポスターと雪岡聖君 Best Student Poster Presentation Award表彰状