2021年3月10日〜12日の3日間、藤井滋穂地球環境学堂教授が実行委員長を務め、京都大学が共催する日本水環境学会第55回年会がオンラインで開催され、1019名が参加しました。当初は京大吉田キャンパスで開催予定でしたが、新型コロナウイルスによりオンラインに変更しました。そのため懇親会や見学会、企業展示は実施できませんでしたが、その他については新たな工夫を取り入れ開催されました。
355件の口頭発表はZoomを用いて最大10セッションを並行して実施しました。水環境に関する幅広いトピックについて発表があり、活発な討議が行われました。一方、Poster発表は、①Web上で音声による説明可能なPoster掲示と質疑(年会の数日前から掲示)、②年会中Zoomによる音声付パワーポイントを繰り返し自動再生、③Zoomで質疑するセッションを設定、の形式で対処しました。好きなときに好きなポスターを閲覧することができ、従来以上のポスターセッションになりました。
特別講演では、山極壽一前京大総長・京大名誉教授に「コロナ後の人と自然の関係について考える」と題してご講演いただきました。生物の進化の歴史から始まり、人間社会の成り立ち、そしてこれからの社会やその自然との関わりについてスケール感のあるお話であり、講演後には切れ目のない多数の質問が寄せられました。
さらに、学生向けセミナー「水環境ビジネスガイダンス」や、年会優秀発表賞(クリタ賞)、年会学生ポスター発表賞(ライオン賞)の投票・審査もオンラインで実施され、閉会式ではそれらの受賞者発表がなされ、大いに盛り上がりました。
今回の年会は、新たなシンポジウムの形を提案する意味のあるものとなりました。
図1 WebサイトのPoster表示とPosterに対する質疑(年会優秀発表賞受賞発表)
図2 山極前総長によるZoom特別講演の様子(於地球環境学堂長室)