第38回京都大学環境衛生工学研究会シンポジウムが地球環境学堂の共催により開催されました。

 地球環境学堂との共催で開催された第38回京都大学環境衛生工学研究会シンポジウムは、環境工学関連分野の最新の研究・実務の成果、その他取り組みについて発表し、意見を交換し、同分野の人材の交流を促進するための毎年開催のシンポジウムです。本年は、7月29 日および30日の2 日間にわたり、京都大学桂キャンパスCクラスターの人融ホールを中心に、同分野の研究者、実務者、学生計165名が参加しました。

 シンポジウムでは、特別講演(コーディネーター:高岡昌輝・京都大学環境衛生工学研究会会長)として、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター センター長、京都大学名誉教授(元地球環境学堂長)の 内藤正明先生より「“生存可能社会”に向けた社会の変革」と題したご講演が行われました。ご講演では、まず、現在、世界人類が直面する、持続可能性の大きな危機について、地球環境問題と、経済・社会問題の観点から整理されました。また直面する危機を乗り越えていくためには、“生存可能社会”への変革が必須であり、近代の工業発展を主導してきた首都圏を中心とした“先端技術社会”と、長い日本の文化・伝統を引き継いできた地域を中心とした“自然共生社会”のバランスが重要であることが主張されました。

 また、続けて、“人口減少社会における環境関連施設のあり方を考える”(コーディネーター:伊藤禎彦・京都大学教授)というタイトルで、企画セッションが行われました。セッションでは、下水道(田中宏明・京都大学教授)、廃棄物処理(高岡昌輝・京都大学教授)、上水道(伊藤禎彦・京都大学教授)に関連する環境施設における人口減少社会の影響や、今後の展望が述べられ、これらの課題について活発な意見交換がなされました。

 このほか,一般セッションにおいて,水処理,水環境,廃棄物、土壌汚染、環境管理、および室内環境に関する21件の口頭発表,ショートプレゼンテーションとポスターセッションを組み合わせた17件のハイブリッド発表が行われ,活発な討議が行われました。

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