2014年10月18日 第20回地球環境フォーラム「環境思想を再考する〜新たな価値観の模索へ〜」を開催しました。

第20回地球環境フォーラム「環境思想を再考する〜新たな価値観の模索へ〜」を京都大学百周年時計台記念館国際交流ホールⅢにおいて2014年10月18日に開催した。さまざまな環境問題を生み出す原因となった我々自身の価値観や生き方を見つめ直すために、自然や生命を総括的にとらえる環境思想に立ち帰ってみようとの趣旨である。以下の三つの講演を受け、総合討論を行った。

岡田 直紀(地球環境学堂准教授)「生態学的自然観と地球環境」

多田 満(国立環境研究所主任研究員)
「R・カーソン『沈黙の春』にみられる科学と思想」

藤原 辰史(人文科学研究所准教授)「分解の思想—食と農から考える」

岡田准教授は、多大な功績を残した植物生態学者・吉良竜夫を例に生態学者の自然観を紹介し、「持続可能の社会」の実現のために資源利用の考え方について提案をされた。多田氏は、カーソン『沈黙の春』を四つのキーワードのもとに読み解いた後、彼女の思想の核となる「センス・オブ・ワンダー」に基づく「べつの道」への提言をされた。藤原准教授は、「生産」を軸に議論が組み立てられてきた近代の人文・社会科学を「分解」という視点から問い直すべく、植物工学、有機農業、ファーストフードなど具体的な食と農の歴史をひもとき、資本主義のオータナティヴとなりうる価値観や実践について話された。

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