現代の地球環境学の成果を<京ことば>で練り直すことにより、世界環境都市にふさわしい、あらたな、力のある美意識や生活文化をさぐり、地域にひろめるための連続懇話会です。
伝統的な京町家を舞台に、今回は「箸を渡す」をテーマとして開催いたします。皆様のご来場を、心よりお待ちいたしております。
第三十七回 平成29年2月23日(木)午後6時~8時
第37回 箸を渡す
日 時: 平成29年2月23日(木)午後6時~8時
洛中から:「箸という木工品」
北村隆充 氏(独立御箸師)
学堂から:「森がつなぐ炭素循環」
檀浦正子(京都大学大学院地球環境学堂 助教)
司 会: 吉野 章(京都大学大学院地球環境学堂 准教授)
協 力: 嶋 臺 (しまだい)
今回は「箸と森」がテーマです。箸については、妙心寺の近くで箸屋さんを営んでおられる北村隆充さんにお越しいただき、いろいろな箸の紹介や箸にまつわるお話をしていただきます。毎日使わないことのない箸ですが、その工程は、材料の切り出しから塗り、そして販売まで、幾人もの職人や店員さんが関わっています。北村さんは、そうした工程を一人で行っておられます。これは、使う人ひとり一人の手に合ったお箸を、責任をもって届けられるようにというお気持ちからだそうです。スイスの時計職人さんには、大手メーカーに属さず、部品づくりから販売までを行う「独立時計師」という人がいるそうで、北村さんはそれにあやかり「独立御箸師」を名乗っておられます。
箸と言えば、割り箸が環境問題として取り上げられることがあります。割り箸を使わないでマイ箸を持ち歩く人もいます。最近の外食産業は、割り箸をやめて、樹脂製の箸を置くようになりました。最近はおしゃれな雑貨屋さんが増えましたが、ほとんどの店がいろいろな箸を並べています。みなさんはそうした今の食事の気色にどう感じておられるでしょうか。象箸玉杯という言葉がありますが、どんな箸を使うかは、何を食べるか、どんな暮らし方をするかを左右するものでもあります。箸について深く知ることで、もう一度食事や暮らし方について考えてみたいと思います。
箸は人と食べ物をむすぶ道具ですが、日本人は古来から、それ以上の意味も持たせてきました。箸は、神さまと人、あの世とこの世を結びつけるものでもあります。そのような箸が木や竹で作られていることは象徴的なことで、森は、大気と生き物、そして大地を結びつけ、地球環境の循環の要となってきました。今回は、箸にからめて、学堂の檀浦さんに炭素循環について、研究の新しいこところを解説してもらいます。こちらもどうぞお楽しみに。
参加申し込み方法
電話またはFAXにて事前に申し込みください。
FAXの場合、住所、氏名、電話・FAX番号をご記入ください
先着順(定員60名)
※ 定員埋まり次第締め切ります。
お申し込み・お問い合わせ先
(定員60 名・要事前申し込み)
京都大学 地球環境学堂 総務掛
電 話 (075) 753-5630
FAX (075)753-9187