現代の地球環境学の成果を<京ことば>で練り直すことにより、世界環境都市にふさわしい、あらたな、力のある美意識や生活文化をさぐり、地域にひろめるための連続懇話会です。 伝統的な京町家を舞台に、今回は「住」をテーマとして開催いたします。 皆様のご来場を、心よりお待ちいたしております。
第 三十一回 平成27年1月20日(火)18:00~20:00
-住みこなす-
学堂から:「草原と住まうーモンゴル・遊牧の民の現在」
西前 出(地球環境学堂 准教授)
洛中から:「町と住まうー京都・堀川団地の今昔」
大島 祥子 氏(町づくりコーディネータ)
ひとこと: 安枝 英俊 氏(兵庫県立大学 環境人間学部 准教授)
司 会: 小林 広英(地球環境学堂 准教授)
学堂からは西前さんに、モンゴルの暮らしについてお話しいただきます。遊牧民として草原と暮らしてきたモンゴルで、近年、定住化政策をすすめられています。それによって、遊牧民の生活にも環境にも様々な問題が生じています。なかなか知る機会のないモンゴルですが、遊牧民の暮らしの今をご紹介いただきながら、日本とは全く異なる人々の住まい方について知り、そこから見える定め住むことの意味を考えてみましょう。
洛中からは、町づくりにかかわっておられるスーク創生事務所の大島祥子さんに、京都の堀川団地についてお話しいただきます。堀川団地は、京都市街の堀川通り沿いにある、商店街を一階に置く、いわゆる「下駄履き住宅」です。公営住宅の「標準設計」が普及する以前の、1950年代の建物で、鉄骨づくりということもあり、風貌こそ違うのですが、空間の配置や内装や風通しへのこだわりなどは、京町家のそれを色濃くひきつぐものなのだそうです。
堀川団地には、戦前そこにあった堀川京極の伝統が残り、そこに住む人も、内装を変えたり実家の住宅との使い分けをしながら、うまく「住みこなし」てこられたそうです。とはいえ、堀川団地も還暦を迎え、建物の老朽化は否めません。しかし、ここでも、安易に建てかえを行うのではなく、現在、再生が目指されています。そのような堀川団地に、現在若い人らが住みはじめました。彼らは、DIYで大胆な内装の変更などを行いながら、町に溶け込む暮らし方を志向しているのだそうです。
大島さんからは、こうした堀川団地のこれまでとこれから、京の町での暮らし方、京の町とのつきあい方についてお話しいただける予定です。
お申し込み・お問い合わせ先
(定員60 名・要事前申し込み)
京都大学 地球環境学堂 総務掛
電 話 (075) 753-5630