日本創生会議・人口減少問題検討分科会で報告された,いわゆる『増田レポート』は,将来の地方消滅,市町村消滅の可能性を提起し,大きな反響を呼んでいます.政府はこのレポートを継承し,人口減少問題の克服を主目標とした「まち・ひと・しごと創生「長期ビジョン」と総合計画」を閣議決定しました.
しかしこのレポート及び政策をめぐって,相反する2つの議論が展開されてきました.1つは,これまでの地域開発政策を見直し,地方の中規模都市への重点投資を主張する議論です.他の1つは,人々の「田園回帰」の動きと地域主体のまちづくりをさらに促せば,地方や農山村は消滅しないと主張する議論です.これを裏付けるかのように,地域の自然・環境資源を活用した地域作りに成功した地域も現れてきています.
本フォーラムでは,農山村地域での「地方消滅」と「田園回帰」の実態と要因,「地方消滅」を克服して持続的な社会への移行を目指す地域の取り組みを,3人の研究者から講演頂き,その移行過程で現れた課題をどのように克服していくかを,討論を通じて深めていきたいと思います.
日時
2015年10月31日(土) 13:30~16:45
場所
京都大学時計台記念館 国際交流ホールⅠ
参加料
無料
定員
先着100名 (残席がある場合は当日参加受付可能)
プログラム
- 13:00 受付開始
開会の挨拶
- 13:30~13:40
講演
・13:40~14:25 「中山間地域に求められる「田園回帰」戦略と島根県の取り組み」 藤山 浩(島根県中山間地域研究センター 研究総括監)
政府の総合計画が求める「地方への新しい人の流れをつくる」を実現するには,大都市圏に多くの人口を流出させてきた中山間地域の再生が不可欠,との観点から,地域に求められるビジョンや戦略の枠組みを提唱します.その上で,島根県の中山間地域の取り組みを紹介し,「田園回帰」を実現するための制度や条件について考えます.
・14:25~15:05 「『農村再生』の現状と課題」 星野 敏(京都大学地球環境学堂 教授)
「地方消滅」の危機を容易に克服する決定的な方策は存在しません。京都府をはじめ,近畿府県の取り組み状況の中から注目すべき事例を紹介し,農村再生のあり方について考えます。
・15:05~15:15 休憩
・15:15~15:55 「地域包括ケアと共生のまちづくり」 堀田聰子(国際医療福祉大学大学院 教授)
住み慣れた地域での自立と尊厳ある暮らしの継続,あるいはすべての人に居場所と出番があり,よりよく生ききることができる地域の持続可能なモデルが模索されています.地域包括ケアシステムをめぐる潮流を概観するとともに,ケアを手がかりとする国内外の移行のムーブメントを紹介します.
総合討論
- 15:55~16:40
閉会の挨拶
- 16:40~16:45
(注)講演者、講演内容などは事前の予告なく変更することがございます。
申し込み方法
参加を希望される方は、下記リンク先のフォームもしくはファックスでお申し込みください。
» お申し込みフォーム
お問い合わせ
京都大学地球環境フォーラム事務局:地球環境学堂
Tel: 075-753-5630 Fax: 075-753-9187
主催
京都大学大学院地球環境学堂
協賛
京都大学教育研究振興財団
後援
森里海連環学教育ユニット